やっぱり出てきたゼネコンの我が世の春
テレビをつけても、震災後頑張ってなんとか復興を果たしたいという人たちのレポートは多いが、その裏で肥え太っている人たちのレポートは出てこない。震災の復興特需のような話は、タブー視されているからだろう。しかし、やっぱりそうかという特集が『週刊東洋経済』に取り上げられた。「蠢くゼネコン」がその特集タイトルだ。
特集の冒頭はこんな書き出しで始まっている。
<宮城県仙台市国分町。東北地方随一の歓楽街は今、バブル時代と一見、見間違うかのような好景気に沸いている>
やっぱりそうだったか、と思う人は多いだろう。6月辺りから新車の販売が動きだした。土建、コンクリート業者、ゼネコンの下請け企業などがその原動力で、売れ筋は1台500万円前後のベンツCクラスだそうだ。自動車だけでなく、百貨店も好調で高額品の販売はこの秋1.5〜3倍に跳ね上がったそうだ。
復興は「がれき処理、原発補強、除染」が3本柱で、一般的な公共工事とは違って業者の言い値で支払われるケースもあり、価格競争のリスクが少ないことも好景気を促す要因だそうだ。詳しくはご一読を。
40年後はアフリカか?
こういう特集をやれば面白いのになあ、と思っていた特集を『週刊ダイヤモンド』が組んだ。特集タイトルは「人口を見れば世界が読める」である。人口動態の変化と経済動向とは密接なつながりがある。経済の将来を予測するのは難しいが、人口動態の変化を見通すことによって、将来を展望することはできる。同誌は副題に<次の40年の成長市場はここだ!>とあるように、こうした人口の変化によって世界の市場がどのように変化していくのかを展望しようというのである。何せ、今年の10月 31日をもって世界の人口は70億人を突破しているのである。その世界がどう変化していくかを知ることは重要である。
さて、その結論だが、現在の成長エンジンであるBRICs(最近では南アフリカを加えてBRICSともいう)はインドを除いて10年以内に成長は鈍化する。先週号の『日経ビジネス』は、これら諸国の次にくる国として日本に親和性が高いVIP(ベトナム、インドネシア、フィリピン)を挙げていたが、『週刊ダイヤモンド』はさらに40年というスパンで見て、アフリカの台頭を指摘している。この特集の最後のパートで「2050年の日本」を予測しているが、ま、その時は生きていないけれど、あまり読みたくもない状況が描かれている。
日本企業の弱みが露呈
日本企業は六重苦に陥っているのだという。少なくとも『日経ビジネス』はそう分析している。では六重苦とは何か。読まずに予想してみると、「企業の税負担の重さ」「円高」「新興国での弱さ」と、ここまでは出てくる。後は何だろう?
で、読んでみると、その3つに加えて、「見えないコスト」「投資効率の低迷」「雇用の硬直化」とある。なるほど、そうなのか。
同誌は日本と韓国両国に米国を加えた3国の主立った企業の財務分析を行ない、それらを比較して、それぞれの強み、弱みを検証した。
この種の企画は地味だが、それなりに興味深い結果を示してくれる。例えば、自動車産業と鉄鋼業の3国の代表的企業を総資本回転率と営業利益率とで比較してみると、いずれも韓国企業の利益率が高いことがグラフにはっきりと表れる。それにしても韓国企業の税負担は少ない。
まったく関係ないが、中国の通販市場には圧倒的に韓国企業の進出が目覚ましい。それは韓国政府が補助金をはじめとするさまざまな優遇措置をとっているからだ。
中国の前途
世界経済のエンジンである中国の成長が著しく鈍ってきている。部分的にはいろいろ報じられており、不動産市場の悪化、自動車販売の減速などはニュースでもおなじみだ。中国の成長鈍化の要因はさまざまだが、まず第1に挙げられるのが欧州のソブリン危機による中国の対外輸出の急減だろう。最大の対外輸出国である欧州は輸出全体の20%を占めているのでインパクトが大きい。その意味では欧州のソブリン危機はついに中国にまで押し寄せてきたことになる。
『エコノミスト』はこうした状況から中国の現状と今後について分析する特集を組んだ。特集のタイトルは「危うい中国」だ。
同誌の分析で、上記以外に重要なのは内需(消費)が悪化する可能性だろう。今のところ実質で年平均11.7%増と消費小売総額は安定しているものの、鈍化する基調にあるという。高いインフレ率、就業、所得の悪化から消費マインドも急速に悪化しているようで、自動車販売の鈍化もこのあたりと関係が深い。消費の余力は十分にあると思うが、内需を拡大させるための政府の舵取りも難しそうだ。
了 (上へ)
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